テニスは対戦相手がいて成り立つスポーツですが、いつも相手がいる状態で練習することは難しい場合もありますよね。上達するためには一人での自主練が必要かもしれません。ボールを打ち合うために必要な感覚や正しいラケットの振り方など、テニスの基本動作は自主練習を通して覚えることもできます。
とはいえ、初心者のうちはどのような自主練習を行えばいいのか、自主練習にはなにがひつようなのか、疑問かもしれません。今回の記事ではテニスを始めたばかりの方に向けて、自主練習の方法や効果について解説しつつ、効率的に一人で練習できるアイテムを紹介します。
By デカトロン編集部
【一人で練習する方法】
自主練習といえば、ランニングを通した基礎体力づくりを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろんランニングも大切ですが、テニスの技術力向上には、素振りやボールつきといったテニスならではの動きを反復して身につけることも重要です。
■素振り
テニスの最も基本的でとても大切な動作は、ラケットを振る動作「ストローク」です。基本なので、正しいフォームを身につけることによってショットの威力を上げることができたり、力の伝わり方が上手くいきます。間違った腕の使い方を続けると肘を痛めることに繋がるので、素振りを通して正しいフォームを身につけることが大切です。
素振りには、3段階の練習方法があります。練習のポイントは、身体を使ったスイングの仕方を身につけることです。
まずは打つ前の形と打ち終わった後の形を意識した素振りから始めてください。身体の前でラケットを構えてから、身体を横に向けて、腰を捻りながらラケットを振り切ります。ラケットを振り切った時に腕が首の後ろにまわっていて、ラケットの頭が地面を向いた状態になると思います。また、正しくスイングできると、後ろ足のかかとが浮いているはずです。鏡の前で身体の形を確かめながら行うとより効果的です。
次に実践を想定した素振りを行います。ラケットを構え、1,2,3とリズムを取りながら、ステップ(踏み込み)、ターン、スイングという一連の動作を左右それぞれ行ってください。最初はぎこちない動きでゆっくりした動作になるかもしれませんが、反復することでストロークのリズムが身につき、実践でも問題なく動けるようになります。このときも、正しいフォームを意識して打つ前と打ち終わりの形を確認することが大切です。
一連の動作が身についた後は、ラケットの先端に重りをつけて素振りをしてみてください。実践でボールを打つ時はラケットに衝撃があるため、フォームが崩れてしまいがちです。重り付きの素振りでは、そうした状況の中でもしっかりとスイングする練習ができます。
ストロークのリズムがしっかり身についた方は、ラケットに重りをつけた素振りにチャレンジしてみてください。フォームを確認しながら正しいスイングを身につけることで、上達への大きな一歩を踏み出せます。
■ボールつき
ボールを使った自主練習に、ボールつきがあります。これはラケットの面を地面と水平にして、ボールを落とさないように上に弾ませたり、逆に地面に弾ませたりする練習です。ボールつきによって、ボールが面に当たった時の感覚やラケットの操作感、コントロール精度を養えます。ちょっとしたスキマ時間にできて場所を問わない練習方法なので、習慣付けて行うと、少しずつ上達していきます。
ボールつきのゴールは、自分の思い通りにボールをコントロールできるようになることです。グリップを長く持つとラケットの操作が難しくなるので、慣れないうちは短く持って練習するのがおすすめです。グリップは優しく持って一定の強さでボールを弾ませること、常に同じ場所にボールを戻ってこさせることを意識してください。
最初はラケットを水平に持ち、ボールを空中に弾ませることから始めるようにしてください。このボールつきはラケットの感覚をつかみやすく、難易度もあまり高くはありません。高く弾ませる、低く弾ませる、など高さを決めて、徐々に慣れていってください。
空中に弾く感覚が身についたら、次は地面に向けて弾く練習に移ります。この練習は地面からの反発があるため、タイミングを取る必要がある分難易度が上がります。インパクトの威力やタッチのタイミングがズレると、あっという間にボールを操れなくなるため、最初の練習よりも柔軟なコントロール力が必要とされます。地面へのボール付きに慣れたときには、ラケットとボールを扱うスキルがかなり高まっている状態といえます。
一定のリズムでボールを弾ませることに慣れたら、自由なリズムを刻む練習をすると、ラケットの扱いがさらに上手くなります。ボールをガットに転がしてから弾く、といったテクニカルな動きや、フレームを使う上級レベルなボールつきなどさまざまなアレンジがあります。
■壁打ち
実際にボールを打つ練習をしたい方には、壁打ちをおすすめします。ボールを打つ練習と、壁に跳ね返ってきたボールを追いかけて、一連のストローク練習が一緒にできラリーが行えて、より実践をイメージしやすいです。
壁打ちには多くのメリットがあります。相手が不要なのでいつでも気軽に練習できるということ、ボールを打つ回数が多くなるため、単位時間あたりの練習量が多くなることが挙げられます。また自分の打球が返ってくるため、その威力を知ることもできます。これによって相手からはどう見えているかを疑似体験でき、実戦で効果的な力の入れ方を判断できるようになります。
壁打ちの目的は、感覚を探ることです。テニスは1試合が長いスポーツなので、後半にはかなり疲労が溜まっています。そんな状況下でも同じ威力でボールを打ち続けられる選手が勝利を手にします。実際の試合を想定し疲労が溜まった時の感覚をつかむために、壁に向かって同じ威力でボールを打ち続ける練習方法があります。試合後半をイメージしながら強力なショットを打ち続けられるよう身体の使い方を探っていきます。
ポイントは下半身と上半身をいかに連動させられるかです。腰の高さ、ボールを打つ際のラケットの位置、体重移動のタイミングなど、自分のベストな感覚を見極めていってください。腕ではなく、全身の力を上手く使うことで、最小限の力で強力なショットを打てるようになります。身体の使い方を意識して練習してください。
ちなみに、強力なショットを打てたかどうかは、ボールが壁にあたった時の音と、跳ね返りの距離の大きさで確認できます。初心者はインパクト時の衝撃が大きいほど強く打てたと思いがちですが、実は真逆で、上手く打てたときは意外なほどインパクトの感覚が軽いです。何度も壁打ちをする中で成功感覚を覚え、常に良いショットができるように練習を重ねてください。
■テニストレーナー
初心者に導入をおすすめする練習アイテムの1つが、テニストレーナーです。テニストレーナーは、1個のボールにおもりとゴム紐がついた製品で、デカトロンでも販売しています。テニストレーナーは打ったボールがゴム紐の反発によって戻ってくる性質があり、コートが使えない場合や、家の近くに壁がない場合でも打球練習ができます。
テニストレーナーのメリットはボールをなくさないことです。初心者のうちはボールを上手く打てず、練習している間になくなってしまうことが多いですが、テニストレーナーはゴム紐でつながっているため、その心配がありません。
さらに、思い切り打ち込む練習がしたい場合にも使いやすいアイテムです。ボールの扱いに慣れていないうちは、思い切りボールを打つとどこに飛ぶのか不安で、なかなか全力で振り切る練習ができないものです。その点テニストレーナーはボールをなくす心配がないので、全力の打球をコントロールする練習をしたい方にもおすすめです。
テニストレーナーのメリットは他にもあります。上手く打つことができれば半永久的にボールを打ち続けられるため、球出しの必要がなく、練習がより効率的なものになります。壁に反射しない分、打った球の威力が落ちにくい特徴があり、返ってきたボールはより自分の打球の威力に近く、自分の打球の軌道を確認したい方にも向いています。
一方でテニストレーナーを使った練習にはコツが必要です。ゴム紐で繋がれている分、ボールを遠くに飛ばす癖がついてしまう場合があります。これはコートに入ったときにアウトを連発してしまう可能性があるため、上に打ちすぎないよう注意してください。ゴムが長すぎて練習がしにくい場合は、一部を結んだり、壁打ち用にするといった使い方をすると、問題なく練習できます。
■サーブ
テニスにおいてラリーよりも大切なもの、それはサーブです。サーブは勝負を左右する重要な要素です。サーブが入らなければ試合になりませんし、サーブは先手攻撃と同じで、相手にプレッシャーをかけ、試合を有利に進められます。反対にサーブが苦手な選手は最初から相手にチャンスボールを与えてしまうことになり、不利になりかねません。
サーブは試合が成り立つための必須事項であると同時に、勝つために磨き続けなければいけないスキルでもあります。そのためサーブ練習は避けて通れません。
サーブは量よりも質を重視して練習することで効率よく上達ができます。正しいフォームを身につけるのが難しいため、各ポイントを意識して、しっかりと身体に覚えさせることが大切です。
右利きの場合の正しいフォームとは、
・包丁を握るようにグリップを握ること
・ボールをまっすぐ上に、高く揚げる「トス」ができていること
・ボールをトスした腕も、直線的に上を向いていること
・胸をしっかりと開いて横向きになり、トロフィーポーズ(反対側の足で沈み込み、ラケットを担ぐ方の肩が下がった姿勢)ができていること
・スイング時に身体を前向きに回転し、ラケットを担ぐ方の肩が上がった状態になること
・インパクト時は手首に力を加え、開かないこと
・サーブを打った後、腕を身体の左側に振り抜けていること
・右腕と左足が直線になっていること
などがポイントになります。
最初はボールを使わず、1つ1つの動作において、フォームを確認しながら行ってください。正しい動きが分かったら、動作をつなげて一連の動きを練習します。このとき、スマホなどで自分の動きを撮影しておくと、正しくできた部分と間違っている部分がはっきりと分かり、練習の質が上がります。
サーブのフォームは癖がつくと中々直し辛いもので、初心者の場合はまっさらな状態から正しいフォームを身につけられるため、最初からしっかりと取り組むことをおすすめします。
■コースの打ち分け
正しいフォームでボールを打てるようになった後は、打ちたい方向にボールを打つ「コース」練習をすると、実戦で役に立ちます。コースの打ち分けには、コーンやエリアマーカーを使った練習が効果的です。
例えばコーンを立てて、ボールを当てる練習方法があります。これによって精密なコントロールを磨くことができます。最初は近い距離で大きな的からはじめ、徐々に遠くの小さい的を狙うように変更していきます。しかしコーンのような小さな的を最初から狙うことは難しいため、始めはエリアマーカーを使用することをおすすめします。
これはエリア内に打球が入るように練習する方法です。こちらも決まるようになってきたら徐々にエリアを狭めていきます。ストレートに打ったり、クロスに打ったり、サーブで入れたり、ロブで入れたりと様々な練習メニューがあります。
【一人練習にもオススメ!プロテニス選手監修の製品一覧】
デカトロンはスポーツ用品の総合メーカーで、テニス用品専門の自社ブランド「アルテンゴ」を展開しています。元世界ランカーのテニスプレイヤーが監修し、製品を開発しているため、品質の高い製品を販売しています。
ここからはアルテンゴの製品の中から、テニスの技術を向上するうえで役立つアイテムを紹介します。リーズナブルな価格で練習の質を向上させてくれる製品ばかりなので、ぜひ検討してください。
■アルテンゴ - おすすめラケット
■アクセサリー(バッグ、ボール他)
初心者プレイヤーが一人で練習する方法 まとめ
テニスはボールを打ち合って点数を競うスポーツですが、試合で戦えるようになるためには、自主練習で基本的なスキルをしっかりと磨いておくことが大切です。
一人で行う練習は、テニス仲間と行う練習とは異なります。正しいフォームやボールの扱い方、打球の感覚をつかむ練習は、次のステップに向かうための基礎を養う大切な時間です。土台がしっかりとしていると、実践的な動き方を学ぶ複数人での練習でも効率的にスキルアップができるようになります。
一人での練習の仕方を知っておくことで、ワンランク、ツーランク上の自分を目指せます。デカトロンには自主練習に関する製品を取り揃えているので、テニスを始めて間もない方、今伸び悩んでいる方はぜひ購入を検討してください。
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