2種類の試験法:水柱とシャワー
【水柱試験】※生地に対する防水試験
水圧に対する生地の耐性を測定する方法です。
試験結果は、水柱 mmまたはSchmerber mm(※この測定ツールを開発したテキスタイル製造メーカーCharles Edouard Schmerbe社の名称がつけられています。)で表されます。
1 Schmerber = 水柱 1 mm = 0.1 mbar
<ハイキングジャケットの水柱を用いた非透過試験>
平均した雨の水圧は、1000~2000 Schmerber の範囲内です。このことから、水柱1.3 m(1300 mm)の圧力に耐えられるウェアならば、「防水(※ISO811に準拠)」仕様であると言えるでしょう。2000 mm Schmerber レベルの防水性能を備えた生地でつくられたジャケットはもちろん、雨からハイカーを守ってくれることでしょう。しかし、豪雨やいつまでも吹き荒れる嵐となると、厳しいかもしれません。Schmerber の値は高くなるほど、防水性能もより優れていると判断できるので、必要や目的に応じた防水機能を選ぶ事をおすすめします。
生地に対する防水機能で注意したいこと:ジャケットに使われている生地の品質も、性能を左右する重要な要素です。素材が良質でないと、新品時に防水性が優れていても、洗濯後には変化してしまう可能性があります。QUECHUA(ケシュア)の製品は、洗濯前後どちらの状況でも同等の防水性能を保持していることを検証済です。
【シャワー試験】※製品に対する防水試験
いくら防水性能が極めて高い生地の製品でも、完全防水でなければ、フラップやファスナーなど縫い目やつなぎ目から水が入り込むことがあります。
シャワー試験では、製品全体にシャワーを浴びせる方法で検証を行います。この試験方法を採用することで、製品そのものの防水性能をテストすることができます。QUECHUA(ケシュア)製品のは、シャワー試験も実施しています。
<ハイキングジャケットに対する、シャワーを用いた非透過試験>
「防水」と「撥水」は異なるもの
製品が持つ雨の浸透に耐えうる能力を表すのが「防水」。生地が水を浸み込ませず、表面ではじかせる能力が「撥水」です。
「撥水」は、コーティング加工を施すことで得られる性能です。防水ジャケットの性能をさらに高めるため、もしくは防水でない製品に対して、後から撥水処理をプラスすることも可能です。後者は、軽い雨への一時的な対策となるでしょう。一般的にダウンジャケットや中綿ジャケットは、保温性など異なる機能を主としたもので、ハイキング中に雨から守るようには設計されていません。これらのジャケットの撥水処理はあくまでも「おまけ」程度であると、心得ておきましょう。
撥水(防水ではない)ジャケットは、最低限のプロテクションとして対応するようデザインされています。そのため、一時しのぎには役立ちますが、雨が降る確率が高い場合は、必ず防水仕様のウェアを持参しましょう。
時間の経過と共に、ジャケットに備わっていた撥水性能が失われていくことがあります。その場合は、撥水処理を再度行って性能を回復させることができます。
また、ハイキングのアドバイスとして、中に汗まみれにならずにドライな状態をキープするためには透湿性のあるウェアを着用することをおすすめします。
登山・ハイキングブランド QUECHUA(ケシュア)とFORCLAZ(フォルクラ)の防水ジャケットシリーズ(メンズ・レディース)を是非ご覧ください。