インフレータブルカヤックは、空気を入れ膨らませて使用するタイプのカヤックです。カヌーの一種で、両端にブレード(水掻き)のついたパドルを漕いで、湖や川、海の上を進みます。
インフレータブルカヤックは安定性があり漕ぎやすいことから、カヤックにはじめて挑戦される方にもおすすめのアイテムです。
- インフレータブルカヤックとカヌー・ハードタイプのカヤックとの違い
- メリット・デメリット
- 選ぶ際の注目ポイント
- 安全に楽しむための注意点
この記事では上記について、アウトドアスポーツ用品を数多く取り揃えるデカトロンが解説します。
おすすめのインフレータブルカヤック3モデルもご紹介しますので、あわせてご覧ください。
【インフレータブルカヤックとは?カヌー・ハードタイプのカヤックとの違いを解説】
インフレータブルカヤックとは、空気を入れて膨らませ使用するカヤックのことを指します。カヤック自体に浮力があり安定性に優れているため、カヤック初心者にもおすすめです。
カヤックは、乗る場所によってシーカヤック(海)・リバーカヤック(川)・ファンカヤック(湖)などに区分されます。
また、カヤックに乗りながら釣りをする、フィッシングカヤックを楽しむ方も多くいます。
カヤックと同様に水辺で楽しむ乗り物として、カヌーを思い浮べる方も多いのではないでしょうか?
カヌーとカヤックの違い、そして通常のハードタイプとインフレータブルカヤックの違いについて解説します。
■カヌーとの違い
カヌーはパドルで水を掻いて進む乗り物の総称です。
カヌーは、主にカナディアンカヌーとカヤックの2つに分類されます。つまり、カヤックはカヌーの一種です。一般的にカヌーとは、カナディアンカヌーのことを指します。
2つの違いは、使用するパドルの形状です。
カナディアンカヌーでは、片端にブレード(水掻き)のついたシングルブレードのパドルを使用します。
対してカヤックは、両端にブレードのついたダブルブレードのパドルを使って漕ぐのが特徴です。
■ハードタイプのカヤックとの違い
通常のハードタイプのカヤックには、ポリエチレンやプラスチックなどの丈夫な素材が使われます。
激しい流れの中での使用や障害物との衝突時の耐久性に優れている反面、重量があるため持ち運びが大変な点がデメリットとして挙げられます。
また持ち運ぶ際、キャリーパッドを車に装着して車上に積むなどの工夫が必要です。
一方、インフレータブルカヤックには、ポリエステル・塩化ビニル・ナイロンなどが主に使われます。
ハードタイプに比べて軽量で、折りたたんでコンパクトに収納できるため持ち運びに便利です。
ただ、岩などの突起物によって船体に傷が付くと、空気が漏れ浮力を保てなくなる恐れがあるため、使用する場所に注意しましょう。
【インフレータブルカヤックのメリット・デメリットとは?】
カヤックはレジャーやアクティビティとしてだけでなく、筋肉強化や心肺機能を鍛える効果が得られるとして注目されています。
そんなエクササイズ効果もあるカヤックを気軽に楽しめるアイテムとしておすすめなのが、空気を入れて使用するインフレータブルカヤックです。
インフレータブルカヤックを購入する前に、メリット・デメリットをおさえておきましょう。
■メリット
インフレータブルカヤックには、以下のようなメリットがあります。
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- コンパクトに収納でき置き場所に困らない
- 持ち運びに便利
- カヤック自体に浮力がありバランスをとりやすい
- 初心者にも扱いやすく楽に前進できる
インフレータブルカヤックは、使用時以外は空気を抜いたコンパクトな状態で保管でき、自宅での置き場所に困ることもありません。
ハードタイプのカヤックのような重量感もなく軽量なため、持ち運びも楽にできます。
船体自体に浮力があるインレータブルカヤックは、バランスが取りやすく扱いやすいため、初心者におすすめのカヤックといえるでしょう。
安定感のある中で、気軽にカヤックフィッシングも楽しめます。
■デメリット
空気を入れて使用するインフレータブルならではのデメリットもあります。
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- 使用前の空気入れや使用後の空気抜きにやや時間がかかる
- 岩などの障害物に接触した際、破れて空気が抜ける恐れがある
- 汚れが付着しやすい
軽量・コンパクトで持ち運びに便利ですが、空気入れ・空気抜きには慣れるまで時間がかかるかもしれません。
乗る前に体力を消耗してしまわないよう、少ない力で楽に空気を注入できるポンプを選択することも重要です。
また傷に弱いため、使用する際は障害物の少ない場所を選び、カヤックフィッシングを楽しむ場合は釣り針が船体に引っかからないよう注意しましょう。
【インフレータブルカヤック選びの注目ポイント3選】
インフレータブルカヤック選びでは、以下の3つのポイントに注目しましょう。
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- シットインタイプ/シットオンタイプ
- 空気室の数
- 丈夫な素材
■シットインタイプ/シットオンタイプ
カヤックにはシットイン・シットオンの2つのタイプがあります。
シットオンタイプ | シットインタイプ | |
特徴 |
カヤックの上に座る形状 |
座る部分が船内に収まる形状 |
メリット |
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デメリット |
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船内スペースが狭い |
シットインタイプは水に濡れにくいため、お子様と乗船する際や、寒い時期のツーリングに適しています。
ただ、船内に座席が埋め込まれているためスペースが狭く、荷物を多くは載せられません。
一方、シットオンタイプは足元にスペースがあり荷物をある程度載せられるため、釣り具を持ち込むカヤックフィッシングにも向いています。
シットインに比べ体が外に出ることで濡れやすく、船体が重いため動き出しづらいのがデメリットです。
2タイプの特徴を把握し、使用するシーンに合うものを選びましょう。
■空気室の数
インフレータブルカヤックには、船体が傷付き空気が漏れることで、転覆や沈没につながる危険性が考えられます。
空気を入れる場所が数か所に分かれているモデルであれば、穴が開いた部分以外の空気室内の空気を保ち、トラブルを回避しやすくなります。
また、複数箇所に分かれていることで、それぞれの空気の出し入れにかかる時間が短縮できるため、設営・撤収時にかかる体への負担も軽減できるでしょう。
安全性の高さや空気入れの手軽さといった観点から、空気室が複数箇所に分かれたモデルを選ぶことをおすすめします。
■ 丈夫な素材
インフレータブルカヤックのデメリットとして、障害物などによる衝撃に弱い点が挙げられます。
ただ、耐久性は素材によって異なります。
破れて空気が漏れることのないよう、軽くて丈夫なポリエステル製などの丈夫な素材がおすすめです。
川で乗るリバーカヤックには水に強いポリエチレン製、シーカヤックには強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)製など、乗る場所を考慮して素材を選ぶのもよいでしょう。
あわせて、船体を傷つける恐れのある岩場や、波消しブロックに近づかないよう注意するのも大切です。
【おすすめのインフレータブルカヤック3選】
おすすめの3モデルのインフレータブルカヤックをご紹介します。デカトロンでは1人用・1人~2人用・1人~3人用の3種を取り揃えています。
それぞれの特徴や製品の組み立て方について、動画とあわせてご覧ください。
■ITIWIT 空気式クルージングカヤック 1人用
公式価格 ¥54,900(税込)
初心者向け、最大耐荷重100kgまで乗船可能1人用のモデルです。
サイドと底面の3つに空気室か分かれていることで安全性が増すだけでなく、少ない労力で空気入れが完了するよう設計されています。
専用のダブルアクションポンプを使用すれば、約6分間で空気入れが可能です。
空気室は丈夫な布で覆われており、ダメージや衝撃による変形にも強いデザインになっています。
※こちらの動画は1~2名用タイプのものです。
座席は背もたれ付きで、休憩時やパドリングの際も快適です。また、座席の位置は身長や荷物量に合わせて、前後に調整できます。
3モデルの中でもっともコンパクトな1人用カヤックですが、身長180cmの方からも乗りやすいとのお声をいただいています。
船体は水を掻きわけやすいV字構造の先頭、フランスで特許取得済みの弓形状ボディで、高い推進力を実現。
底部に3つのキール(竜骨)があることで、直進性と安定性が保たれます。
本体は折りたたんで、付属のバックパックに収納可能です。
使用後は3つのバルブ(空気の挿入口)を緩めて空気を抜き、カヤックをバッグに詰めファスナーを締めて、圧縮ストラップで縛るだけ。
バックパックには、別売りのパドルや空気を入れるポンプも一緒に収納でき、持ち運びに便利です。
組み立て方の詳細は、こちらの動画をご覧ください。
■ITIWIT 空気式クルージングカヤック 1~2人用
公式価格 ¥59,900(税込)
1人~2人用、最大耐荷重150kg、半日程度のソロまたは2人でのツーリングにおすすめのモデルです。
座席は休憩時やパドリング時に快適な背もたれ付きで、布地で覆われているため手触りも良好です。
大人が快適にパドリング姿勢をとれるよう、シートが高く設計されています。
座席数は乗船人数によって調節可能です。
設置の際はフロアに印刷されている数字に合わせて取り付けるだけ。
2名で乗船する場合はシートの「2」のマークが見えるように、1名の場合は「1」のマークのところに取り付ければ、座席数を簡単に調節できます。
1名で使用する際は、安定性を保てるよう荷物のバランスに注意してください。
ボディには、3モデルに共通する水を掻きわけやすいV字先頭と、フランスで特許取得済みの弓形状デザインが採用されています。
高い直進性と安定性を生み出すため底部に取り付けられた3つのキール(竜骨)は、水の少ない川では川底に引っかかる危険性があるため取り外してください。
空気入れは、別売りのダブルアクションハンドポンプを使用し、およそ7分間で完了します。
ポンプは、付属のバックパックにカヤック本体・パドルとあわせて収納可能です。
■ITIWIT (イティウィ) 空気式クルージングカヤック 2~3人用
公式価格 ¥64,900(税込)
2人~3人用、最大耐荷重230kgのカヤック初心者やファミリーでの使用におすすめのモデルです。
3つの背もたれ付きシートは、座席数の調節が可能です。
真ん中のパドリング用ではないシートは必要ない時に外せ、2人用として使用できます。
座席数は、フロアに印刷されたマークに合わせるだけで簡単に調節可能です。
3人で乗船する際は「2+1」のマークが見える場所に、2人で乗船する際は「2」のマークのところに取り付けます。
空気入れの方法は、次のとおりです。
- ベース・片方のサイドチューブ・もう片方のチューブの順に半分程度まで空気を入れる
- 全体の配置・バランスを確認し問題なければ0.1bar(1.5psi)の空気圧まで100%空気を入れる
- すべてのバルブを完全に締める
空気の入れすぎに注意し、暑い日に使用する際は空気の膨張による破損を防ぐため、水から上げたあと少しだけ空気を抜いてください。
デカトロンで取り扱っている3つのモデルには、それぞれリペアキットが付属されています。
船体に穴が開いた場合は、リペアキットを使ってパッチを取り付け応急処置ができますので、メンテナンスの際にご活用ください。
【インフレータブルカヤックを安全に楽しむための注意点とは?】
インフレータブルカヤックを安全に楽しむためにおさえておきたい、4つのポイントを解説します。
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- レベルに合った場所を選ぶ
- 空気入れは乗り始める場所の近くで行う
- ライフジャケットを着用する
- 使用後のメンテナンスをしっかり行う
■レベルに合った場所を選ぶ
カヤックは海、川、湖、池などで楽しめます。ただし、安全に楽しむためには、自分のレベルや経験値に合った場所を選ぶことが大切です。
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- <初心者におすすめ>水流の穏やかな湖や池、湾内など
- <上級者におすすめ>流れを楽しめる川や海
カヤック初心者は、流れの穏やかな場所でバトルを漕いで進むのに慣れることから始めましょう。
上級者になれば、ラフティングや川下り、シーカヤックを楽しむのもおすすめです。
レベルに関わらず、荒れた海や流れが急すぎる場所、障害物の多い場所での使用は、船体が傷付きやすく転覆の危険もあるため避けましょう。
■空気入れは乗り始める場所の近くで行う
インフレータブルカヤックは、使用前に空気を入れる必要があります。
ただ、膨らませてから引きずって水辺まで運ぶと、その間に擦れて船体が傷付く恐れがあります。
穴があいて空気が漏れる危険があるため、乗り始める場所の近くまで運んでから空気を入れましょう。
■ライフジャケットを着用する
安全に乗るために、乗船する際はライフジャケットを着用しましょう。
破れにくく、対紫外線加工が施されているもの、自分の体型に合ったものがおすすめです。
また、貴重品を持って乗船する際は、水に濡れることを考え防水バッグ等にいれるとよいでしょう。
デカトロンでは、カヤック専用のフローティングベストをご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。
■使用後のメンテナンスをしっかり行う
使用後は、カビを防ぐためしっかり乾かしてから収納しましょう。
素材の劣化は、インフレータブルカヤックの耐久性を弱めることにつながります。
使用中に紫外線を受けることで劣化しやすくなるため、水洗いした後UVカット保護剤を塗っておくと安心です。
傷がついたり穴が開いたりした部分は放置せず、修理に出したり、リペアキットで修繕したりして次の使用に備えましょう。
【初心者におすすめのインフレータブルカヤック3選 まとめ】
空気を入れて乗るインフレータブルカヤックの特徴や選び方、おすすめ製品をご紹介しました。
インフレータブルカヤックは、1人で自然の流れを満喫したり、親子で乗ったりとさまざまな楽しみ方ができます。
デカトロンでは、ご紹介した3モデルのインフレータブルカヤックの他、カヤックを安全に楽しむためのアイテムも多数取り揃えています。
インフレータブルカヤックに挑戦してみたいとお考えの方は、ぜひ製品詳細ページよりご覧ください。